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初走行が近づく中、錬成器の試運転は完了し、いくつか呪油の精製が確認されていた。並行して進められていた収容作業はすでに完了している。
トローチカはゆっくりと目を覚ました。
自分の置かれた状況がわからずに、しばらく眠たげな表情をしていたが奇妙な姿勢で寝ていたことに気が付き、その身を起こそうとする。しかし身体を動かすことができない。左右を見回し厚い鉄塊が自分の身体を覆っていることに気づく。頭を動かすたびに重い鎖の音が鳴り響いた。その首には分厚い首輪が嵌められ、短い鎖で檻につながれている。
彼女は何か言おうとしたが言葉にはならなかった。嵌められた口枷が頬に食い込んで頭の後ろで固定されている。口の中は苦い金属の味で満たされ、舌は太い管で押さえつけられていた。滑らかに磨かれた金属は喉奥にまで達している。
んううぅ! ひどく息苦しい感覚に気がついてトローチカの目が歪み、非道な仕打ちに対する怒りが瞳の中に満ちていく。慌てて身体がどうなっているのか確認しようと彼女が目を動かすと、剥き出しになった自分の姿が目に入り、その顔はみるみる赤く染まっていった。彼女は慌てて身体を隠そうとしたが手は背中に回されてびくともしない。両手は巨大な金属具で固定され、窮屈な姿勢に折りたたまれて身体に力が入らなかった。
恐ろしいものを見てトローチカが小さな悲鳴を漏らした。露わになった乳房の先端に細い管が差し込まれている。身体を揺すっても外れる気配はない。乳首を囲むように固定具が装着され、それは敏感な場所を貫通しているように見えた。時間が経っているのか痛みはほとんどないが、残虐な仕打ちに頭がついていかない。自分がどれだけ長く眠っていたのかわからなかった。戦いに敗れたことは覚えているが、そのあとのことははっきりしない。囚われている間に何度か目を覚ました気がするが、夢との区別がつかなかった。
非道なまでの拘束が、力に対する恐怖からでは無いのだとトローチカは感じはじめた。まるで鳥籠で卵を産む鳥にされた気分だった。小さな連中に自分が家畜の扱いを受けていることに、激しい屈辱を感じて嗚咽が漏れる。
檻の中央に、わずかな空間を埋めるように土台から突き出た機械が見えた。乳房と口枷から伸びた管はそこに接続されている。その周囲に複数の計器が取り付けられ、息を吐くたび計器の針が小さく揺れた。
んぐううううう!!!腹部に隠された印に手で触れることができず、声も呼吸も拘束具で封じられている。例外はあれど、ここまで拘束された魔女は即座にヘキサを使うことはできない。それでもとっさに自分の武器に頼ろうとしてトローチカは足に力を込めた。しかし足は全く動かすことができなかった。太腿、足首だけでなく、足指のひとつひとつにいたるまで小さな枷が嵌められており、つま先を立てることさえできない。狂気じみた拘束がいくつも施されていることに、トローチカはおののいて呻きを漏らし、囚われた指が助けを求めて悶えはじめた。
胴と太腿で3つの枷が連結されて、ひとつの巨大な枷になっている。太腿を腰に密着させて尻を突き出した格好から身を起こすこともできない。仮に檻の中でなくとも彼女にできることは、わずかに身をよじることだけだ。それでも彼女は激しくもがきはじめた。ヘキサを封じられ、身動きすらできずとも、懸命に檻を破壊しようとしてるのか、腰を振って檻を左右に揺らそうとする。
んうっ!・・・ううぅぅ!!! その瞬間、トローチカが目を大きく見開いて切ない悲鳴を洩らす。胎の中に差し込まれている大きな異物が彼女の肉壁をこじいたのだ。両足の間に下腹部を貫く太い管があり、その根本には複雑な機関部が備え付けられている。そこから大小の管が彼女の股間につながっていた。
んんっんぐうぅーー!。女の秘密にまで異物が挿入されている屈辱に彼女は半狂乱になり、どうにか逃れようと暴れはじめた。トローチカが腰をひねるたび、口から小さな喘ぎが洩れる。頑丈なボルトで固定された異物からはどう足掻いても逃れることはできない。それは股間をその場に固定する拘束具でもあった。わずかに腰を動かすだけでも肉壁に食い込んで元の場所に戻される。彼女は頑丈な檻に閉じこめられてるにも関わらず、身体の動きを厳しく制限されていた。
長い間、トローチカは何度も身悶えを繰り返していた。檻が軋む音と彼女の吐息が格納庫に響いている。しかし、ついには眉根を寄せ、悔しそうなひと声をあげて、がくりとうなだれた。藻掻くのをやめて静かになったが何度も自分で肉壁を嬲ったからか、息が荒い。己の力で厳重な拘束から逃れることができないことをようやく悟ったのだろう。怒りに満ちていた表情はすっかり消え、代わりに瞳は激しい恥辱に満ちて、潤みを帯びていた。
彼女が目覚めても、苦悶の声をあげても、それに反応することもなく、周囲の人影は機械のように淡々と作業を進めていった。
小さな檻からトローチカの足だけが飛び出して固定されている。破壊的な力を秘めているが、大地と接触しない限りは無力だった。今後、研究のために最も触れられる場所になるだろう。足場を兼ねた枷が嵌められて、黒い人形が調整作業を進めていた。
足裏には虫の脚に似た器具が幾本も取り付けられ、静かに動いている。その先端が皮膚に触れるたび、トローチカは身悶えを繰り返していた。苦悶を逃がそうとしているのか、丁寧に枷を嵌められた指先はもどかしそうに、ひくひくと動いている。
多足機械が肌に食い込み、トロ―チカが喘ぎをあげた。まるで秘密の肉でもなぶられているような過敏な反応だ。とても素足で乾いた大地を歩き、移動砲台を蹴り落とした巨人には見えないが、そのことに最も驚いているのはトローチカ自身だ。足は彼女の自慢の武器であり、誇りでもある。しかし今、そこは彼女の最も弱い場所に変わっていた。
魔女喰い。それは名の通りに魔女を狙う異形の存在だ。
姿、性質、獰猛さ、それらは個々、あるいは種によってまるで違う。だが強い匂いを放つ魔女を嗅ぎ付けて、肉の花に接触するべく行動する点は共通している。魔女喰いと魔女がつがいとなれば災厄の火種となるが、超常の力を持つ魔女に抵抗する知恵を、人はその生態に求めてきた。
ある魔女喰いの分泌液を模した秘薬は、その効果から審問酒と呼ばれている。本物には及ばないものの、口にした者が魔女か否かを炙り出す役には立つ。常人が口にした場合、まさに酒に似た症状が出る。気分は酩酊し、強い鎮痛作用を伴う。一方で魔女が口にすれば反応は真逆だ。肉体は興奮を帯び、強烈な感覚増幅があらわれる。強い力を宿す魔女ほど、その効果が強く出る。
捕らえた魔女疑いが審問酒を口にしたあとで、かすかな痛みにさえ声を漏らすのなら審問は次の段階に進むことになる。あるいは、審問酒を忍ばせた宴の席で、一人だけ黙り込む者がいるなら魔女の可能性が高い。
トローチカが長く眠っていた間、魔女の血と反応して肉を狂わせる秘薬が、その足に直接投与され続けた。極めて危険な魔女を使う条件として追加された安全処置だ。彼女の足にかすかな風があたるだけで声が漏れ、枷を嵌められた指は締め付けに悶え続けている。もしも今、彼女が解放されたとしても、立ち上がろうとすれば激しい苦痛を味わう。それは己の巨体で秘密の肉芽を踏み潰すのと同じだ。足裏の皮膚は唇のように薄く柔らかくなって、うっすらと赤みを帯びている。強力な力を宿す足に、限度を超えた投与が続けられたことで肉は変わり果て、もはや元には戻らなくなっている。機械が触れるたびにトローチカの哀れな声が格納庫に響いていた。
全ての作業が完了し、大型工作機や足場が列車からはなれていく。一人のレプリコンがはしごを登り、車体上部の運転室へと入っていった。重い音とともに、格納庫の扉がゆっくりと開きはじめ、冷たい外気がトローチカの足にふきつけて悲鳴が響く。収容作業は日中から続いていたが、すっかり夜になっている。試運転をかねて最初の目的地に出発する時間が来たのだ。
・・んん!? 周囲の様子から列車が動き出す気配を感じたのか、トローチカは困惑の声を上げた。彼女はいまだに裸のままだ。それどころか管を身体のあちこちに挿入されたその姿は恥辱の極みだった。
当然ながら、檻には開閉可能な外装が取り付けられ、彼女の姿を隠して運用されることになっている。だが肝心の外装はこの格納庫には無い。少なくとも次の目的地までは、今の状態で走行する手筈だ。防衛用の移動砲台や巨獣の残骸、高濃度の呪油や未知の素材、危険度の高いものを輸送する専用の路線が街には敷設されている。安全上、レールは人を避けるように敷設されており街灯も少ない。試運転で走るのはその上だ。仮に何人か目撃する者がいたとしても大したことではないと管理局は考えていた。呪油の蒸気があちこちで噴出しているこの街では、おかしな光景を見ることは珍しくなく、酒や煙草には幻覚作用がある品もある。あまりに突拍子も無い話は、煙の吸い過ぎだと一笑されるのが常だ。
しかしトロ―チカにとって、そんな打算に意味は無い。格納庫の扉が完全に開いて外気の冷たさが増すと、彼女は懸命に首を振って許しを求めた。しかし訴えは無視され、運転手は前方を確認して走行レバーを前へ倒す。錬成器がうなりを上げると同時に彼女の喉で何かが膨らみはじめる。
んうぅうぅぅぅ・-----! 呼吸菅の周囲を取り巻く袋に外から液体が流れ込み、喉をぴったりと塞いでいく。彼女の胸が上下するたびに、ふしゅ、ふしゅと、苦しそうな排気音が鳴り始めた。
トローチカは息苦しさに耐えられず、鼻から息を吸い込もうとした。しかし気道がぴったりと塞がれてまったく息が通らない。口枷から喉奥に繋がる菅を通さなければ呼吸ができなくなっている。呼吸器計のランプが点灯しているのが見えた。走行状態に入れば、錬成器を通さなければ息を吸うことも吐くこともできなくなるのだ。
トローチカはその仕打ちに声を上げたが、すでに明瞭な音を出せない。彼女の声は長い空気管を通るうちに人間味を失い、うなる機械音となって外に洩れていく。取り付けられた虫脚の機器が大きくしなると、家畜を鞭打つように、柔らかな足裏へ振り下ろされた。
フシューーーーーッ!!! 大きな排気音があたりに響く。それは彼女の声にならない悲鳴だった。身体が大きく震え、巨船が軋む音が響く。それを合図にして、切り離されていた錬成器と車輪の動力部が連結し、軋みをあげながら列車はゆっくりと前進をはじめた。フシュツ フシュッ フシュ! 呼気を吸い込んだ錬成器が力強く動きはじめる。
車両はゆるやかに速度をあげ、列車の先端が格納庫の外に姿を見せた。排障器に続いて大きな素足が見え、それに続いて金属でがんじがらめにされた巨体の女が現れる。その裸体を先頭に、絡みあった配管と無数のタンクが連結した異様な列車がその全貌を見せ、格納庫から出発していく。彼女の目に流れる街の光景が飛び込んできた。日中の複雑な建造物は姿を消して色彩が瞬いている。多くの人がそこにいるに違いない。
んぉおおおおお――――――!
断末魔のように叫びをあげ、許しを求めたが列車は止まらない。その叫びは低い汽笛となって街に鳴り響く。格納庫が少しずつ小さくなり、再び彼女の足裏に鞭が振り下ろされた。
―――――――――――――ッ!!
今の彼女にとっては、秘核を打たれるのと同じ苦痛を伴う。だがトロ―チカは叫びを懸命に抑え込んだ。巨人である彼女は人より遠くを見通せる。さきほど大きな声を上げた時に、輝く大通りで振り向いた人影をその目は確かに見ていた。狭い檻に詰め込まれた彼女の裸体は、夜の影絵としてなら、ただの列車に見えたのだろう。すぐに興味を失って歩きはじめたが、妙な汽笛が何度も響けば立ち止まる人は次々と増えていく。もしも夜目の効くものが目をこらせば、そこには、尻を見せつけ、管を食い込ませた哀れな女が詰め込まれているのだ。
三度目の鞭が振り下ろされ、再びトローチカは歯を食いしばる。彼女の口からはげしい呼気が吐き出された。列車はゆっくりと速度をあげてゆく。もう後戻りはできない。みじめな姿を晒したまま、目的地まで進み続けるしかなかった。
        
        
      
      トローチカはゆっくりと目を覚ました。
自分の置かれた状況がわからずに、しばらく眠たげな表情をしていたが奇妙な姿勢で寝ていたことに気が付き、その身を起こそうとする。しかし身体を動かすことができない。左右を見回し厚い鉄塊が自分の身体を覆っていることに気づく。頭を動かすたびに重い鎖の音が鳴り響いた。その首には分厚い首輪が嵌められ、短い鎖で檻につながれている。
彼女は何か言おうとしたが言葉にはならなかった。嵌められた口枷が頬に食い込んで頭の後ろで固定されている。口の中は苦い金属の味で満たされ、舌は太い管で押さえつけられていた。滑らかに磨かれた金属は喉奥にまで達している。
んううぅ! ひどく息苦しい感覚に気がついてトローチカの目が歪み、非道な仕打ちに対する怒りが瞳の中に満ちていく。慌てて身体がどうなっているのか確認しようと彼女が目を動かすと、剥き出しになった自分の姿が目に入り、その顔はみるみる赤く染まっていった。彼女は慌てて身体を隠そうとしたが手は背中に回されてびくともしない。両手は巨大な金属具で固定され、窮屈な姿勢に折りたたまれて身体に力が入らなかった。
恐ろしいものを見てトローチカが小さな悲鳴を漏らした。露わになった乳房の先端に細い管が差し込まれている。身体を揺すっても外れる気配はない。乳首を囲むように固定具が装着され、それは敏感な場所を貫通しているように見えた。時間が経っているのか痛みはほとんどないが、残虐な仕打ちに頭がついていかない。自分がどれだけ長く眠っていたのかわからなかった。戦いに敗れたことは覚えているが、そのあとのことははっきりしない。囚われている間に何度か目を覚ました気がするが、夢との区別がつかなかった。
非道なまでの拘束が、力に対する恐怖からでは無いのだとトローチカは感じはじめた。まるで鳥籠で卵を産む鳥にされた気分だった。小さな連中に自分が家畜の扱いを受けていることに、激しい屈辱を感じて嗚咽が漏れる。
檻の中央に、わずかな空間を埋めるように土台から突き出た機械が見えた。乳房と口枷から伸びた管はそこに接続されている。その周囲に複数の計器が取り付けられ、息を吐くたび計器の針が小さく揺れた。
んぐううううう!!!腹部に隠された印に手で触れることができず、声も呼吸も拘束具で封じられている。例外はあれど、ここまで拘束された魔女は即座にヘキサを使うことはできない。それでもとっさに自分の武器に頼ろうとしてトローチカは足に力を込めた。しかし足は全く動かすことができなかった。太腿、足首だけでなく、足指のひとつひとつにいたるまで小さな枷が嵌められており、つま先を立てることさえできない。狂気じみた拘束がいくつも施されていることに、トローチカはおののいて呻きを漏らし、囚われた指が助けを求めて悶えはじめた。
胴と太腿で3つの枷が連結されて、ひとつの巨大な枷になっている。太腿を腰に密着させて尻を突き出した格好から身を起こすこともできない。仮に檻の中でなくとも彼女にできることは、わずかに身をよじることだけだ。それでも彼女は激しくもがきはじめた。ヘキサを封じられ、身動きすらできずとも、懸命に檻を破壊しようとしてるのか、腰を振って檻を左右に揺らそうとする。
んうっ!・・・ううぅぅ!!! その瞬間、トローチカが目を大きく見開いて切ない悲鳴を洩らす。胎の中に差し込まれている大きな異物が彼女の肉壁をこじいたのだ。両足の間に下腹部を貫く太い管があり、その根本には複雑な機関部が備え付けられている。そこから大小の管が彼女の股間につながっていた。
んんっんぐうぅーー!。女の秘密にまで異物が挿入されている屈辱に彼女は半狂乱になり、どうにか逃れようと暴れはじめた。トローチカが腰をひねるたび、口から小さな喘ぎが洩れる。頑丈なボルトで固定された異物からはどう足掻いても逃れることはできない。それは股間をその場に固定する拘束具でもあった。わずかに腰を動かすだけでも肉壁に食い込んで元の場所に戻される。彼女は頑丈な檻に閉じこめられてるにも関わらず、身体の動きを厳しく制限されていた。
長い間、トローチカは何度も身悶えを繰り返していた。檻が軋む音と彼女の吐息が格納庫に響いている。しかし、ついには眉根を寄せ、悔しそうなひと声をあげて、がくりとうなだれた。藻掻くのをやめて静かになったが何度も自分で肉壁を嬲ったからか、息が荒い。己の力で厳重な拘束から逃れることができないことをようやく悟ったのだろう。怒りに満ちていた表情はすっかり消え、代わりに瞳は激しい恥辱に満ちて、潤みを帯びていた。
彼女が目覚めても、苦悶の声をあげても、それに反応することもなく、周囲の人影は機械のように淡々と作業を進めていった。
小さな檻からトローチカの足だけが飛び出して固定されている。破壊的な力を秘めているが、大地と接触しない限りは無力だった。今後、研究のために最も触れられる場所になるだろう。足場を兼ねた枷が嵌められて、黒い人形が調整作業を進めていた。
足裏には虫の脚に似た器具が幾本も取り付けられ、静かに動いている。その先端が皮膚に触れるたび、トローチカは身悶えを繰り返していた。苦悶を逃がそうとしているのか、丁寧に枷を嵌められた指先はもどかしそうに、ひくひくと動いている。
多足機械が肌に食い込み、トロ―チカが喘ぎをあげた。まるで秘密の肉でもなぶられているような過敏な反応だ。とても素足で乾いた大地を歩き、移動砲台を蹴り落とした巨人には見えないが、そのことに最も驚いているのはトローチカ自身だ。足は彼女の自慢の武器であり、誇りでもある。しかし今、そこは彼女の最も弱い場所に変わっていた。
魔女喰い。それは名の通りに魔女を狙う異形の存在だ。
姿、性質、獰猛さ、それらは個々、あるいは種によってまるで違う。だが強い匂いを放つ魔女を嗅ぎ付けて、肉の花に接触するべく行動する点は共通している。魔女喰いと魔女がつがいとなれば災厄の火種となるが、超常の力を持つ魔女に抵抗する知恵を、人はその生態に求めてきた。
ある魔女喰いの分泌液を模した秘薬は、その効果から審問酒と呼ばれている。本物には及ばないものの、口にした者が魔女か否かを炙り出す役には立つ。常人が口にした場合、まさに酒に似た症状が出る。気分は酩酊し、強い鎮痛作用を伴う。一方で魔女が口にすれば反応は真逆だ。肉体は興奮を帯び、強烈な感覚増幅があらわれる。強い力を宿す魔女ほど、その効果が強く出る。
捕らえた魔女疑いが審問酒を口にしたあとで、かすかな痛みにさえ声を漏らすのなら審問は次の段階に進むことになる。あるいは、審問酒を忍ばせた宴の席で、一人だけ黙り込む者がいるなら魔女の可能性が高い。
トローチカが長く眠っていた間、魔女の血と反応して肉を狂わせる秘薬が、その足に直接投与され続けた。極めて危険な魔女を使う条件として追加された安全処置だ。彼女の足にかすかな風があたるだけで声が漏れ、枷を嵌められた指は締め付けに悶え続けている。もしも今、彼女が解放されたとしても、立ち上がろうとすれば激しい苦痛を味わう。それは己の巨体で秘密の肉芽を踏み潰すのと同じだ。足裏の皮膚は唇のように薄く柔らかくなって、うっすらと赤みを帯びている。強力な力を宿す足に、限度を超えた投与が続けられたことで肉は変わり果て、もはや元には戻らなくなっている。機械が触れるたびにトローチカの哀れな声が格納庫に響いていた。
全ての作業が完了し、大型工作機や足場が列車からはなれていく。一人のレプリコンがはしごを登り、車体上部の運転室へと入っていった。重い音とともに、格納庫の扉がゆっくりと開きはじめ、冷たい外気がトローチカの足にふきつけて悲鳴が響く。収容作業は日中から続いていたが、すっかり夜になっている。試運転をかねて最初の目的地に出発する時間が来たのだ。
・・んん!? 周囲の様子から列車が動き出す気配を感じたのか、トローチカは困惑の声を上げた。彼女はいまだに裸のままだ。それどころか管を身体のあちこちに挿入されたその姿は恥辱の極みだった。
当然ながら、檻には開閉可能な外装が取り付けられ、彼女の姿を隠して運用されることになっている。だが肝心の外装はこの格納庫には無い。少なくとも次の目的地までは、今の状態で走行する手筈だ。防衛用の移動砲台や巨獣の残骸、高濃度の呪油や未知の素材、危険度の高いものを輸送する専用の路線が街には敷設されている。安全上、レールは人を避けるように敷設されており街灯も少ない。試運転で走るのはその上だ。仮に何人か目撃する者がいたとしても大したことではないと管理局は考えていた。呪油の蒸気があちこちで噴出しているこの街では、おかしな光景を見ることは珍しくなく、酒や煙草には幻覚作用がある品もある。あまりに突拍子も無い話は、煙の吸い過ぎだと一笑されるのが常だ。
しかしトロ―チカにとって、そんな打算に意味は無い。格納庫の扉が完全に開いて外気の冷たさが増すと、彼女は懸命に首を振って許しを求めた。しかし訴えは無視され、運転手は前方を確認して走行レバーを前へ倒す。錬成器がうなりを上げると同時に彼女の喉で何かが膨らみはじめる。
んうぅうぅぅぅ・-----! 呼吸菅の周囲を取り巻く袋に外から液体が流れ込み、喉をぴったりと塞いでいく。彼女の胸が上下するたびに、ふしゅ、ふしゅと、苦しそうな排気音が鳴り始めた。
トローチカは息苦しさに耐えられず、鼻から息を吸い込もうとした。しかし気道がぴったりと塞がれてまったく息が通らない。口枷から喉奥に繋がる菅を通さなければ呼吸ができなくなっている。呼吸器計のランプが点灯しているのが見えた。走行状態に入れば、錬成器を通さなければ息を吸うことも吐くこともできなくなるのだ。
トローチカはその仕打ちに声を上げたが、すでに明瞭な音を出せない。彼女の声は長い空気管を通るうちに人間味を失い、うなる機械音となって外に洩れていく。取り付けられた虫脚の機器が大きくしなると、家畜を鞭打つように、柔らかな足裏へ振り下ろされた。
フシューーーーーッ!!! 大きな排気音があたりに響く。それは彼女の声にならない悲鳴だった。身体が大きく震え、巨船が軋む音が響く。それを合図にして、切り離されていた錬成器と車輪の動力部が連結し、軋みをあげながら列車はゆっくりと前進をはじめた。フシュツ フシュッ フシュ! 呼気を吸い込んだ錬成器が力強く動きはじめる。
車両はゆるやかに速度をあげ、列車の先端が格納庫の外に姿を見せた。排障器に続いて大きな素足が見え、それに続いて金属でがんじがらめにされた巨体の女が現れる。その裸体を先頭に、絡みあった配管と無数のタンクが連結した異様な列車がその全貌を見せ、格納庫から出発していく。彼女の目に流れる街の光景が飛び込んできた。日中の複雑な建造物は姿を消して色彩が瞬いている。多くの人がそこにいるに違いない。
んぉおおおおお――――――!
断末魔のように叫びをあげ、許しを求めたが列車は止まらない。その叫びは低い汽笛となって街に鳴り響く。格納庫が少しずつ小さくなり、再び彼女の足裏に鞭が振り下ろされた。
―――――――――――――ッ!!
今の彼女にとっては、秘核を打たれるのと同じ苦痛を伴う。だがトロ―チカは叫びを懸命に抑え込んだ。巨人である彼女は人より遠くを見通せる。さきほど大きな声を上げた時に、輝く大通りで振り向いた人影をその目は確かに見ていた。狭い檻に詰め込まれた彼女の裸体は、夜の影絵としてなら、ただの列車に見えたのだろう。すぐに興味を失って歩きはじめたが、妙な汽笛が何度も響けば立ち止まる人は次々と増えていく。もしも夜目の効くものが目をこらせば、そこには、尻を見せつけ、管を食い込ませた哀れな女が詰め込まれているのだ。
三度目の鞭が振り下ろされ、再びトローチカは歯を食いしばる。彼女の口からはげしい呼気が吐き出された。列車はゆっくりと速度をあげてゆく。もう後戻りはできない。みじめな姿を晒したまま、目的地まで進み続けるしかなかった。
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